沿革

幸せむなしく

 私たちの日暮しは、自分の欲望を追い求めて、それを満足させるためのもので終ってはいないでしょうか。自分の思いが満足されれば幸せと思い、反対に満足しない場合は不幸と思っております。

 誰でも自分の思い通りにしたいと思わないものはありませんが、しかし、思い通りになったからといってそれがずっと続くとはかぎりません。一時の幸せは本当の幸せではないのです。「お金や、財産があって、いいつれあいがいて、人からいいように言われて、立派な家に住んで、美味しいものが腹いっぱい食べられる」ということが、現在の生活において最高の幸せ物であるように思われておりますが、よくよく考えてみれば、そのことは永久に続くものではありません。

 人は老い、病気になり、死んで行くのです。若い時は、お金や名誉などで満足出来る人もおられるでしょう。

 しかし、年をとっていくとそれらがひとつひとつ欠けていくのです。そして幸せと思っていたものが、全てむなしいものであったと気が付くのです。

 そういう人がいう言葉に「私は何のために生きて来たのか。」二度と帰らぬこの人生です。真実の教え、仏さまの教えにあってこそ生きてくるのです。

 共に仏さまのみ教えに会いましょう。そのためには、寺に参りお聴聞する以外他ありません。

『聞法(1990(平成2)年7月16日発行)』(著者 : 佐々木 大観)より