沿革

欲望をもって

 人間には皆んな欲望があります。そして自分の欲望を満たすために一生懸命になっているのです。この欲望のためにいがみ合い、憎しみあい、恐ろしい殺人事件にもなりかねないのです。

 では欲望を持ってはいけないのか?。ということになりますが、あるお寺の掲示板にこう書かれてありました。

  欲望の否定は人間の廃業を意味し
  欲望の肯定は人間の動物化をうながし
  欲望の変革は人間性の回復を招来する

 欲望を持ってはいけないと言えば人間をやめねばなりません、そうかといってそれを認めていく考えでは人間を動物化させてしまう。欲望はあってあたりまえ、無くしてよしとするものでは無く、欲望をどちらに向けていくかということなのです。欲望を持っていない人間はいませんが、その欲望を向けていく方向によって、その人の人間性がうかがわれるのだと思います。

 欲望によって道をはずしそうになる私たちに、歩むべき道を示して下さるのが仏さまの教えなのです。

『聞法(1990(平成2)年7月16日発行)』(著者 : 佐々木 大観)より