沿革

如来の救い

 他力の救いというのは、私が自分の力に頼らず、如来さまのご本願に救われることなのです。

 一般の宗教では、人が自分の力で悟りを開いていくのですが、その自分の力でなしとげられない分は、神さまや仏さまの力をかりて補って行うとするのです。

 しかし浄土真宗では、私の救われるすべてが、一から十までことごとくが皆他力なのです。如来さまの力に依るのですから、ただただ如来さまの不思議な力を頂くのみです。救いの全体が他力であるということを信じ知らしめられるだけなのです。

 だから、どんな人でも皆一人残らず救われるというのが根本の教えなのです。如来さまの本願力は名号として私へ届いて下さるのです。光明となって智慧となって働き、私たちを摂取し、おさめとって下さるのです。如来さまが名号と光明とをもって、私たちを救って下さることは、ちょうど母親が子供を育てるのに、乳房と手によって働きかけて下さるのと同じ有様なのです。母の母乳に子を育てていくすべての栄養がととのっているように、名号には私たちを救って下さるすべてがととのっているのです。共に如来さまのお慈悲を味あわせて頂きましょう。

『聞法(1990(平成2)年7月16日発行)』(著者 : 佐々木 大観)より