沿革

歩むべき道

 こんな歌があります。「欲深き人の心と降る雪は積もるにつけて道を忘るる」私利私欲に追いまわされていると、人としての道を見あやまってしまう。自分の利のみを考えていると他人のことは見えなくなってしまいます。それは、あたかも雪が、田畑と道とをわからなくしてしまうのと同じように。

 この自己中心的な考え、自分だけよければ他の人はどうなってもかまわないと思う思いは、年とともに衰えていくのならいっこう気にする必要もないのですが、「食欲はむくろじ玉よ日に月に、黒くなるなりつやもつくなり」と衰えるどころか日に日に黒光りしてくるのです。本当に恐ろしいことです。

 70年、80年と生きるということは、この欲の心を持っての人生なのです。与えられた人生を豊かに生きぬいてゆくのには、欲を欲と知らすみ教えにあう以外、どのような道を歩んでいけば良いのかわからなくなってしまうのです。道か田んぼか分からなければ、あぶなくて歩けませんし、下手をすると大ケガをする恐れもあるのです。歩むべき道を示し、迎えとって下さるのが阿弥陀如来さまなのです。今すぐ、仏さまのみ教えにあいましょう。

『聞法(1990(平成2)年7月16日発行)』(著者 : 佐々木 大観)より