沿革

過食症

 先日の新聞に過食症に悩む女性が増えていることが掲載されてありました。

 過食症とは、拒食症と並ぶ神経性の摂食異常で、一度に大量に食べ、途中で抑制のきかなくなる症状をいいます。しかも、食べた後で太ることを嫌い、吐くか下剤を大量に使い、身体は細身に保たれているそうです。ここでは二人の例があげられておりました。

 一人は、社会的地位と名誉をもつ自立した女性にしたいという母親の願いと、自分はかわいい女になりたいという二重拘束に身動きがとれなくなった女性。

 もう一人は、仕事はバリバリこなすキャリヤウーマンだが、母親が自分の事に無関心で、母におもいっきり甘えてみたいという満たされない願いを持っている女性。

 二人とも、いったん食べ出したら歯止めがきかなくなり、ラーメン、チャーハンを食べたあと、隣の店で天丼、今度はそば屋でうどんという具合。けれども太るのを嫌い、消化される前に無理に吐き出してしまうのだそうです。

 精神科医の話しによると、「親の影響を子供が大きく受けることは確かであるけれど、恵まれた環境にいながら、本人が自分の理想とする環境とのギャップに適応できないという現代人の心の弱さが現れた結果」だそうです。

 心も体も傷ついているのに見せかけだけはスマートに保とうとする過食症の女性も、周りとの比較によってしか自分の幸せをはかれない我々も、ともに自分自身をしっかり見つめていないために病んでいるのではないでしょうか。仏教は、応病与薬の教え、つまりどうしてそうなったのか原因を考え、それによって解決の道を与える教えです。

 情報が氾濫する現代において、私達が自分自身の環境(人生)をありのままに受けとめ、他に左右される事なく、正しい宗教を求めるとき、このような現代病はなくなっていくと思います。

 今こそ、仏の教えに真剣に耳を傾ける時です。

『聞法(1994(平成6)年8月1日発行)』(著者 : 西郷 教信)より