法語を味わう(14)
「我慢」
と言ったら
要注意!
上司(じょうし)から嫌味(いやみ)や小言(こごと)を延々(えんえん)言(い)われても、グッとこらえて「我慢(がまん)、我慢(がまん)」と自分(じぶん)に言(い)い聞(き)かせる・・・
ところで、この「我慢(がまん)」という言葉(ことば)、もともと仏教用語(ぶっきょうようご)であったということをご存知(ぞんじ)でしたか?
一般的(いっぱんてき)には自分自身(じぶんじしん)を抑制(よくせい)し、また耐(た)えるという意味合(いみあ)いで使(つか)われていますが、これは「我意(がい)を張(は)る」などという強情(ごうじょう)な心意(しんい)を介(かい)した転用(てんよう)で、本来(ほんらい)の意味(いみ)は、強(つよ)い自己(じこ)意識(いしき)から起(お)こす慢心(まんしん)、つまり「自分(じぶん)を偉(えら)く思(おも)い、他人(たにん)を蔑(さげす)むこと」と言(い)えます。
「我慢(がまん)」という言葉(ことば)が思(おも)わず出(で)た時(とき)こそ、自分(じぶん)自身(じしん)を謙虚(けんきょ)に見(み)つめ直(なお)すシグナルとしてみてはいかがでしょう。
(本願寺派布教使 木賣 慈教(きうり じきょう))