法語を味わう(24)
もしあなたが
幸(しあわ)せにならないなら
私(わたし)は幸(しあわ)せにならない
絶対(ぜったい)に
伊藤忠商事(いとうちゅうしょうじ)、丸紅(まるべに)の創業者(そうぎょうしゃ)である伊藤忠兵衛(いとうちゅうべえ)をはじめ、近江商人(おうみしょうにん)はお念仏(ねんぶつ)の教(おし)えを大切(たいせつ)にされ、その経営理念(けいえいりねん)は「売(う)り手(て)よし買(か)い手(て)よし世間(せけん)によし」の「三方(さんぼう)よし」だったそうです。
これは仏法(ぶっぽう)を聴聞(ちょうもん)されて、阿弥陀(あみだ)さまのお心(こころ)が「あなた(衆生(しゅじょう))が幸(しあわ)せにならないなら、私(わたし)は幸(しあわ)せにならない」という願(ねが)い(度(ど)衆生心(しゅじょうしん))であるといただかれた姿(すがた)でした。
今(いま)の世(よ)の中(なか)は残念(ざんねん)なことに「三方(さんぼう)よし」ではなく「今(いま)だけカネだけ自分(じぶん)だけ」の価値観(かちかん)が幅(はば)をきかせ、キズつき踏(ふ)みつけられて苦(くる)しむ人(ひと)が増(ふ)えています。今(いま)こそお念仏(ねんぶつ)の教(おし)えを大切(たいせつ)にし、実践(じっせん)された大阪(おおさか)の商人(しょうにん)たちの生(い)き方(かた)に学(まな)ぶ時(とき)ではないでしょうか。
(本願寺派布教使 栗山宣雄(くりやま せんゆう))