法語を味わう(26)
凾 蓋 相 応 (かん がい そう おう)
衆生(しゅじょう)の機(き)は凾(ごん)の如(ごと)く、
如来(にょらい)の本願(ほんがん)は蓋(ふた)の如(ごと)し
日渓法霖和上は阿弥陀さまのお救いは「凾蓋相応の要法」と言われます。
器を作るとき、蓋に合わせて凾を作るということはありません。最初に凾を作って、凾が四角ならば蓋も四角、凾が六角ならば蓋も六角というように凾に応じて蓋を作ります。
今、私は凾の如く、如来の本願は蓋の如しと譬えられます。私という凾には、怒りの角や欲の溝があります。そして悲しみや寂しさで凸凹です。
しかし、その私の為にこそ本願の蓋は仕上がりました。
浄土真宗は私が阿弥陀さまに合わせるお救いではなく、阿弥陀さまが私に合わせてくださるお救いです。阿弥陀さまはこの凸凹の命の真只中に、はじめから「まかせよ、そのまま救う」とご一緒くださいます。
【出拠 梅原眞隆和上編『先哲語録』】
(本願寺派布教使 蓮谷 啓介)