法語を味わう(34)
2020年11月
阿弥陀仏
縁なき衆生(わたし)を
すくいます
「縁なき衆生は度し難し」という諺があります。この諺は、どんなに慈悲深い仏さまであっても、初めから仏の教えを聞く思いがない者、信じようとしない者は救うことができないという意味です。
しかし、阿弥陀という仏さまは、そのような自ら縁を断って逃げている者を救わずにはおられないのです。他のあらゆる仏さまが匙を投げた者に大きなお慈悲のお心で「あなたを救う仏がここにいるよ」と何度も喚び続けてくださいます。
「南無阿弥陀仏」とお念仏申す中に、 その衆生こそ他の誰でもないこの私でしたと知らされていくのが、浄土真宗のお聴聞です。
(本願寺派布教使 佐藤知水)